オーロラと磁気嵐の科学

 

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  大きな黒点群の活動が活発になり,太陽面爆発(フレーアー)が観測されると,2〜3日後に世界各地で磁気嵐が起こり,高緯度地方ではオーロラが観測されることは昔からよく知られていました。黒点数や大きな黒点群の発生は約11年周期で変動しており,磁気嵐やオーロラの発生頻度も同じ周期で変動していることもよく知られています。

 NOAA(米国海洋大気庁)が公表している,太陽周期23の太陽活動衰退期の黒点数の経年変化と,太陽周期24の黒点数経年変化の予測値(high predictionは最大予測値でlow predictionは最小予測値)を図1に示しました。2006年は黒点数が極小値に近い年で, 図2に示したように,2006年8月5日の太陽表面には一つの黒点も現われていません。

 2003年は,図1から明らかなように,太陽活動衰退期に入って間もない時期ですが,10月下旬から11月上旬にかけて発生した巨大黒点(図3)領域の活動が非常に活発で,図4に示すよう な太陽面爆発を繰り返し,世界各地で激しい磁気嵐が起こり,オーロラ活動も非常に活発でした。北海道各地でも,10月29日から31日にかけてオーロラが観測され,大きな話題になりました。

 太陽活動がこれだけ激しくなると,人工衛星やスペースシャトルに被害を与えることや,時には地上の送電線に被害を及ぼすことさえあるとの情報も流れました。私のホームページを見た外国在住の方から,飛行機は大丈夫かという問い合わせのメールも,何通か届きました。

 

 折しも,太陽活動が活発になった2003年10月24日,観測を始めたばかりの日本の環境観測衛星「みどり2号」の太陽電池の発電能力が低下し,衛星が機能しなくな るという事故が発生したのです。当初,活発な太陽活動が事故と関係しているのではないかという報道が流されましたが,外部の人を中心とした<環境観測衛星「みどり2号」の事故調査委員会> を設置して検討した結果,人工衛星「みどり2号」の事故と活発な太陽活動との因果関係はなく,設計上の不備による故障が原因だったことが明らかになり,新聞にも報道されました。

 ここでは,以下のような「タイトル」に分けて,オーロラと磁気嵐について解説します。

  (1)太陽から放射されるプラズマ流と地球磁気圏

  (2)太陽活動・磁気嵐・オーロラ 

  (3)太陽面の爆発現象・惑星間空間現象・磁気嵐

 (4)太陽面爆発なしでも,磁気嵐は起こる

 (5)磁気嵐の発生には,惑星間空間磁場の南北成分も影響する

   (6) オーロラと磁気嵐の原因を探る

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